ボントレガー ハンクタイヤ

ブロックパターンでアスファルトを走ると、ホント洒落にならんくらい滑る・・・っていうか跳ねるので、夏タイヤよろしくスリックに履き替えることにしました。

秘境・秋田ではまだまだ雪がちらついたりするわけですが、さすがにもう積もったりしないよね???

『雪を噛む』という一点に注目すれば良い冬タイヤと違って、オールラウンダーの夏タイヤ選びは悩ましい限り。

コレがロードバイク用ならおっさん的公道ユースはコンチコンペ一択で固まってるんですが、速さを取るか耐久性を取るか、はたまた見た目に走ってしまうべきか?

基本的に、低出力な乗り物のタイヤは細いほど速いです。
んで転がり抵抗軽減するために、カッチカチに高圧にします。

ロードバイクの場合はそれでいいんですが、重量級のトライクとなると、路面環境も考慮しなければなりません。
何しろおっさんの暮らす秋田は、道路の至る所に落とし穴がボコボコ空いてる世紀末覇王列伝的な世界ですから、80cmの車幅でコレを全て避ける事は『車道の左端』を走ることを強要される軽車両には叶わぬ願い。

軽く抜重するだけで10cmくらいの段差はパスできる強度が無いと、道端でしょっちゅうパンク修理するはめに。

んでもって太いタイヤの事なんて全然知らないし、手堅くBIG APPLEあたりを買っとこうかと思っていたりしたわけですが、見つけてしまったんですねー、変態的なやつを!

TREKが対面販売のみで通販を禁じているとっても入手性の悪いハンクタイヤ

その名もHANK TIRE !!!
サイズ的には26×2.2(※2.2インチ幅)のさして珍しくも無いMTB用スリックタイヤなわけですが、履いてみると存在感が半端ないらしい。

エアーボリュームがありすぎて、走ると『ばよんばよん』反響音が聞こえるとか、回転力をアスファルトに余すところなく伝えられるよう、レースカーのタイヤみたいに表面がペタペタしてるとか、いいんだか悪いんだかわからない怪しげな噂がネット上を飛び交っているわけですよ。

これはもう行くしかありませんよね?
ほいでもって届いたのがコチラ。
なんていうーか・・・

「ナニこの張りの無さwwww」

タイヤっていうよりか・・・袋?しかもホントにペタペタしてるしwwwwwwwww

ウン百馬力の乗り物であれば、その出力を余すところ無くアスファルトに伝えるために、融けかけたぶっといタイヤとか有効なわけですが、1馬力にすら満たない自転車用タイヤにそこまでする悪ふざけ加減がすばらしいっ!

っていうかタイヤにトリモチがついた自転車漕ぐ苦行を想像してイタダケレば、そこはかとなく
「やっちゃった感」が漂い始めてる事を察して貰えるだろう。

「まだだ、まだ空気を入れてない。空気が入れば全然違うから!」と自らを奮い立たせ、KENDAの26×2.35(※2.35インチ幅)をぬぎぬぎします。

おっさん子供の頃からそうだった。

『当たり前の品を選ぶべき』と、頭ではわかっているのに『もしかしたら!』っていう期待を言い訳にして、変態アイテムを買わずには居られない。

そういえば初めて買った本格ラジコンもATC-250とかいう後ろ二輪の3輪バギーだった。
同時に買った兄者は普通に4輪のレースカーで、一緒に遊ぶ度にコーナーでひっくり返る自分の三輪車がとても悲しかった(´Д⊂グスン

NOTUBES TIRE SEALANT

今まで履いてたのが2.35インチ幅なのでチューブは使い回し。

ついでだからお気に入りのパンク防止剤を注入しとく。

このシーラント剤、相性の良いタイヤだとパッケージの写真が如く、走行中に釘ぶっさしても自動的に穴を塞いでくれるスグレモノ・・・

ってか入ってかない∑( ̄[] ̄;)

バルブコアが外れないタイプでも、米式バルブならインジェクターで外圧かければ注入できるってどっかで読んだのに、全く微塵も入ってく気配がございませんっ。

チューブを開腹して強引に注入

ロードでは仏式バルブの履いてるのでこれまた罠だった。

7秒ほど熟考して、おもむろにカッターナイフをチューブの脇腹に・・・

「入れた後、パンク修理の要領で塞いどきゃいいよね?」

なんというおっさんクオリティーwwwwwww

開口部にインジェクターをぶっさして景気よく120cc注入でございます。
700×23cのロードタイヤなら30cc、1〜1.5インチ幅のMTBタイヤでも60cc程度なわけですが、2インチオーバーなので大判振る舞い。
っていうかタイヤ外周で120gも重くするとかロードなら考えられないですね。

証拠隠滅完了( ̄^ ̄ゞ

そそくさと穴を塞いでチューブをリムに戻し、ほんのりエアーを入れてハンクタイヤをハメ込んでいきます。

おっさんの家は3つくらいの高校の通学路にあたっているので、物珍しそうに学生さんたちが眺めていきます。
っていうか今の御時世、パンク修理自体やったことが無い子とか居るんでしょうね。

ロードではチューブラなので10気圧くらい入れてますが、ハンクタイヤは2〜5気圧で使うものらしいので、とりあえず3.5気圧入れときましょ。

軽快にエア注入中の図

おっさんのポンプはちょっと自慢の逸品なので、15気圧くらいまではスイスイ入れられます。

おほほほほ?これはちょっとかっちょいいかも。

自転車にはあからさまにオーバー・スペックなこのタイヤが、通販禁止というハードルを乗り越えて人気になっているのがわかります。
えぇまぁ、秘境で暮らすおっさんは勿論、こっそり通販しているお店で買いますた( ̄^ ̄ゞ

3.5気圧ピッタリ入れて、しばし悦に浸るおっさん、すると突然・・・

『ドゴォーン!!!』

重いのに乾いた、いままで聞いたことの無い爆発音が突如として襲って来ました。

瞬間的に周囲を確認するもそれらしい映像は無く、アレほどの爆発音にも関わらず、体に痛みは感じないので直撃は受けてない。

「隣のピザ屋がガス爆発でも起こしたか?」

今そこにある危機を把握すべくポルナレフ状態に陥っていると、反対隣の店から叔母が駆け寄ってきます。


「アンタまたナニやってんぉーーーー!!!!(怒)」

えっ?犯人、オレ????

あれほどの轟音を出せるようなスーパー・アイテムを所持している自覚が無かったおっさん、てっきり他所で起きた事故だと思い込んでいたら、目の前のタイヤチューブがザックリと割けています。

3.5気圧でバーストしたタイヤチューブ

リムから外してみるとこの通り。

こんだけバックリ逝ってれば、さすがのノーチューブスもどうすることも出来ませんwww

前のタイヤと数値上の太さは変わらないわけですが、柔らかいハンクタイヤは内側のチューブを押さえつける圧が小さく、3.5気圧のほとんどがチューブのみに負荷をかけたって事でしょうか。

参考までにバーストしたチューブはKENDAの26×2.125。

仕方がないので最近ご無沙汰だったロードにペダルを付けて、町で唯一の自転車乗りのお店へ。

井上ゴム工業のDOWN HILL SPECIAL TUBE

26×2インチくらいのチューブなら、ママチャリ専門店でもルックなMTBの為に置いてたりするんだけど、基本的にみんなバルブが英式なわけで、仏式か米式じゃないとおっさんのポンプが使えない。

ここも基本はロードのお店なので恐る恐る店の親父に尋ねる

おっさん「MTBの太めのチューブとか、もしかして置いてたりします?」
店の親父「MTBかー、あるこたあるけど、どんなんあったかなー。バルブは?」
おっさん 「どっちでもいいっす( ̄^ ̄ゞ」
– – -ガサゴソ
店の親父「お、なんか凄いの出てきた」
    「ダウンヒル・すぺしゃるだってよwwwwww」
    「3インチとか誰が履くんだ?wwwww」

おっさん「すんません、それ下さい(*/∇\*)キャー」

上:KENDA26×2.125 下:INOAC26×2.25-3.00

いつ仕入れたのかも覚えてないという、1本だけの半端チューブを1,000円で売ってもらい早速作業再開。

幅だけじゃなくゴム自体の肉厚さ加減が全然違うwwwwww
日曜大工用の刃の丸まったカッターが刺さらないwwwwww

気に入ったのでWebで『井上ゴム工業(株)』さんを調べたところ、既に製品リストにも載ってないという、貴重な品を手に入れてしまった(ΦωΦ)フフフ…

っていうかチューブなのに重い!
チューブだけでおっさんのロードタイヤより重い!

変態バルーンのハンクタイヤにはピッタリなお品でございます。

BONTRAGER HANK TIRE 3気圧注入

さっきと同様にシーラント剤を120cc注入して組み付け。
あり得ないくらい重いっすwwwwwwwwww

ハンクタイヤ記念撮影

が、しかし、元から重いおっさんトライク、予想に反してそこそこ転がる。

そして・・・安定感が半端ない!
比較対象がブロックパターンなんで当然ですが、めっちゃグリップします。

リーン(傾斜)する二輪車と違い、コーナリング時に後輪の軌跡に無理が生じるリカンベント・トライクの場合、当然ながらタイヤにも相応の横Gがのしかかってくるわけですが、この野太さが予想外に効きまくり

これはかなりイイかも知れない?

落とし穴ゾーンが頻発する、旧国道を30kmほど走って来ましたが、直線においてもブロックパターンの時のような『不意のねじれ』が殆ど無い。

既に一定のしきい値を越えてしまってて、ロードのように重さに囚われる段階じゃ無いのかも?
スペアのバッテリーが届き次第、いよいよ山越え片道50kmの通勤にチャレンジであります( ̄^ ̄ゞ