SRAM TT500 シフター分解修理

路面からの振動でリアのシフターが滑るようになってきた。
一般的に自転車のリア・ディレイラー(後輪用変速機)はシフターでワイヤーを引いてやるとシフトダウン、緩めるとシフトアップする。
すなわち、シフターがナメっていると、どんなに疲れていても勝手にシフトアップされていく鬼軍曹仕様のオートマ車になってしまう。

このリカトラに使っているようなバーエンド・シフターはTTバイク用途の極めてニッチな製品。
「1万キロ越えてるしそろそろ寿命ってことか?」
ということで、まずはSRAM社のマニュアルから摩耗部品とか取り寄せられないか調べてみることに・・・どうやらポジション・ストップ・ワッシャーという部品が磨り減る構造のような予感がする。
そこでこの部品を取り寄せてくれるショップをググってみるも、全くヒットせず。
っていうかシマノと違って本格的に情報が無いっ!
そもそも国内だっと売ってるショップが殆ど無いっ!

そこでPlan B発動。
「SHIMANOに変えちゃえ!」
再びグーグル先生に聞いてみるとDURA ACE(シマノの最上位グレード)のバーエンドシフターが1万以内で買えてしまう。
思わずそのままポチりそうになるが、グッとこらえて更にリサーチ。

というのも、おっさんのリアディレイラーはSRAMのX9(10s)というMTB用のもの。
ディレイラーとシフターの動作比は2:1なのに対し、シマノのロード用コンポは動作比1:1なのである。
すなわち、シマノのシフターでは「ディレイラーが半分しか動かない!」という、理屈になる。
DURA ACE用のバーコンで9s時代のものであれば、フリクションモード(カチカチと一段ずつ変速するんでは無く、無段階変則)でどんなディレイラーにも対応できるって事らしく、SRAMでも8速くらいまでは動作確認が報告されているのだけれど、肝心のSRAM10速での報告が全く無い。
同様の機構のダイヤコンペ製品でも「シマノの現行MTB用とSRAM社製には使えません」って注意書きばかり。

強引にDURAシフターを投入しても、一番下の36Tに入らないとかいう悲しい事態の予感がドキドキワクワクなアレである。

仕方無い、作るか?

件のポジション・ストップ・ワッシャーとやら、コメリで適当な材料買ってきてグラインダーかリューターで削り出して作ってしまうPlan Cの発動である。

ところがどっこい右のシフターをバラして見るとマニュアル記載の構造と全然違う!

どうやらマニュアルに載っている部品を採用しているのは左のシフター(FD用)のみで、右のRDシフターは記載すらされていないっぽい。
RDシフターは回転部の歯車を3本の特殊バネで抑えこんで居るだけのシンプルな構造。
X9との相性が良いのか、10速全てにガチンガチン入るのでインデックス・シフターなのだと思い込んでいたけれど、フリクション・シフターだったのね(*/∇\*)きゃー。
そしてこのバネが一本折れている!

歯車も若干摩耗しては居るものの、バネさえ作ればとりあえず直りそう!

というわけで、その辺に落ちてたキーリング用の鉄線を曲げ曲げしてスプリング完成!
太さ的に事務用品のダブルクリップの金属棒とかもちょうど良さげ。
なんていうか拍子抜けの結末でしたが、情報無くて相当ググりまくったので記録しときます。

ちなみにスプロケはチェーンの入手性を鑑みシマノのCS-HG81(Dyna-Sys:SLXグレード:11-36T)を入れてます。
グーグル先生とバーコンの世界を彷徨っている間に「MTBコンポでバーエンド・シフター使いたいのに対応製品が無い!」とお嘆きの方が結構いらっしゃったようなので、SRAMのX9ロングケージにTT500、カセットとチェーンはシマノで10s仕様っていうこの構成、いかがですかな?