激白!電子書籍製作の真実!

ScanSnap ix500

ScanSnap ix500

“電子書籍”とかいうとなんかこうハイソサエティーでデジタライズされたイメージを抱いてしまうわけですが、実際には他のIT系分野と同じく、普通にデジタル土方の世界でございます。

んでおっさんがこの分野で何やってるかというと、これまた他の案件と代わり映えしません。

「従来工程で1,000時間の作業を、納期まで50日しか無いので400時間に短縮できないか?」とかそういう係。

勿論短縮しただけでコストが何倍にもなってしまったりしたら意味が無いので、バジェットやヒューマンリソースのコントロールもセットにしつつ、機械にできる作業はちょこちょこと小道具(ちっこいプログラム)を作って可能な限り自動化していくわけです。

んでもって電子書籍の種類は大別して二つ。

ひとつにはリフローと呼ばれれる、テキストデータによる電子書籍。
電子書籍と言われて普通に想像するのはコッチですね。
読者の環境に応じて文字サイズを大きしたり、難しい熟語をサクサクっと検索できたり、更には翻訳まで出来ちゃうあれでございます。

もうひとつがフィックスと呼ばれるスキャン画像による電子書籍。
こちらは画像なので、フォント変更もできなければ検索も出来ません。
辛うじて目次部分をタップすると該当ページにジャンプするようなナビゲーション機能があるくらい。

これから発刊される新書ならいざ知らず、既に紙媒体になっている本は原稿データもろくに残っていなかったりするので、主にコスト的な理由からフィックス型のニーズは意外に高いわけです。

電子書籍に用いられる言語(プログラム言語的な意味で)は、基本的にHTMLです。
なのでおっさん的にはとても身近な環境。

で、面白いのが、10年一昔前にWeb業界が越えてきた葛藤をそっくりそのまま電子書籍業界は思い悩んでいるんですね。

それはどんな問題かというと単純に「見栄え」

情報をデータとして捉えているタイプの人間には、改行位置は重要ですが、折り返し位置とかどうでもいい話。

ところが“紙”という固定面積の世界だけで食ってきた人達にとっては、この折り返し位置が物凄く重要な問題だったりするわけです。

インターネット創世記には、企業のホームページを受注すると「ここ、違うじゃないですか!原稿ではこの文字で折り返してるのに、全然違う位置ですよ!キチンと仕事して下さい!」とか、今となっては失笑モノのクレームを頂いた経験、この業界の人間なら皆あると思います。

スマホ・PC・タブレットと、様々な環境でWebを閲覧することが当たり前になった今日では、環境ごとにフォントもサイズも違う事を皆知っていますから、こんなトラブルはもう起きませんね。

今まさに日の出の勢いの電子書籍業界が抱える多くの問題は、正味ソレ系の事が殆ど。

フィックス・タイプの案件ではそういう問題はありません。
その代わり、膨大な数のページをひたすらスキャンする任務が待っているわけです。

※スマホ等で埋め込み動画が再生できない方はコチラ

基本的には電子書籍出版社さん側がスキャンしてデータだけ送ってきてくれるんですが、それでも今月は何百冊かはおっさんのところでもスキャンしなきゃいけない流れで、ドキュメント・スキャナーという奴を導入してみましたです。

すごいっしょ?
この速度で表裏ともにスキャンしてるんです。
んでこのクラスで選ぶなら、迷うこと無くScanSnap一択。
他のメーカー機がそれぞれの機種のセールスポイントとしている様々なイチオシ機能を、当然のように全て搭載しています。

えぇまぁ『電子書籍製作の真実!』とか銘打ってみたものの、ホントはこのガジェットがすげー良かったのでちょっと書きたくなっただけっすw

おっさんの嫌いな紙がどんどんお部屋から消えてゆくぅぅぅ!

※スマホ等で埋め込み動画が再生できない方はコチラ

今やってる案件で使用する最高画質モードだとコレくらいの速度。

こうしてスキャンしつつ、読み込まれた画像をスクリプトで文字の濃さ整えたり、目次をて入力してくれるパートさん向けのデータ用意したりと、朝から晩まで延々続けているわけです。

ホントはこの作業もアウトソースしたいんだけど、秋田だとなかなかキモのところを一言二言で理解してくれる人材が探せないので、急ぎの時は自分でやるしか無いわけです。

反面、パートさん達の“品質”は極めて良好。

先祖代々受け継がれた、雪に閉ざされた冬をじっと耐え忍ぶ地道な真面目さが秋田民族のルーツなれば、チャランポランなおっさんとは違って兎に角真面目で速く、しかも安いっ!

材料原価の爆安な製造業ならいざ知らず、IT系のアウトソースならインドや中国に出してる場合じゃないですね。

なにしろスーパーのお弁当が198円の物価、速くて正確な人材がいくらでも確保できるわけです。

パートさん達にとっても、育児の合間に自宅でちょこちょこ出来るとあってなかなかに好評。

これはちょっとこの手のモデルで案件増やすべきかもとか思ったり。

首都圏で働いてたときは利潤こそ全てで疑いもしなかったけれど、こういうワーキングシェア的な形を作っていくのもなかなか悪くないですね。