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電動アシスト自転車のモーターチョイス!

電動アシスト自転車の自作を思い立った者にとって、一番悩ましいのはモーターのチョイス。

HUBモーター or MIDモーター?

パワーが欲しければモーターもデカくなり(高出力)必要とされるバッテリーの重量が半端無くなる。
重くなれば更にパワーが必要となり、エネルギーのインフレが発生、相対的に人力の影響力が薄れ、自転車である事の意味喪失へと向かう。

かといって反対にギリギリまで軽量化した低出力の構成をチョイスした場合、そもそもモーターなんか積まず、軽量のロードに人力オンリーの方が速かったりもする。

すなわち、バランスが超重要!

なわけですが、実際のところ出力による選定はそんなに難しくない。
国内で市販されている電動アシスト自転車的なものを単に自分で作ってみたいだけなら250W以下のクラスで36Vの構成がガチ。
反対に電動のオートバイを自作したいなら1kWオーバーのモーターを72Vあたりでぶん回すのが正解。
そしてワールドワイドな市場で一番売れているのが、どっち付かずの500Wクラスを48Vで運用する構成。
どっち付かずという事は、言い換えれば今までに無い分野という事で、ここがいちばんおもろいんだと思う。

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んでもって電動アシストのモーターは2種。
ホイールの中心にあるHUBがそのままモーターになっているHUBモーターと、ペダルの付け根にあるBB型のMID DRIVEモーター(クランク・モーターとも言う)

いずれのタイプもフリーが実装されているため、モーターが回っている間ずっとペダルが振り回され続けるといったアホな事は無いし、20km/hで回るモーターに人力を上乗せして更に高速で巡行するといった事ができる構造になっている。(自転車で下り坂をかっとんでるとき、ギヤ比的には踏み切ってしまっているはずなのに、ガツンガツン踏み込んでやると更に加速して行くあの感じに近い。)

そして出力と速度の関係だが、人力プラス250Wで30km/h、500Wで40km/h、1kWで50km/hといったあたりが概ねの速度域。
10km/h速く走るには倍の電力消費が必要で、大抵のモーターはフルパワーで定格の倍の電力を消費するっぽい。
定格で走るかフルパワーで走るかはコントローラーで制御するし、公道走行の為の適法リミッターもこのコントローラーが制御する。

ついでに基本的知識として、電圧は回転数に影響し、電流はトルクに影響する。
どんだけ回転数の高いモーターでも、電流が小さければトルクが足りず高速では走れない。

 
HUBモーター
MIDモーター
選択肢
有名無名あまたある
数えるほどしか無い
価格帯
安い
高い
駆動伝達
ダイレクト
自転車側のギヤを介す
ギヤ自由度
自由
フロントには影響せずリアは6〜10速
フロントが制限される
リアはベース車体そのままだが、基本的にフロントは一枚になる
インストール
やや難あり
簡単にインストールできるように思えて実際はスプロケの除去や取り付け、エンド幅の実寸誤差をスペーサーで調整したりと面倒が多い。
容易
BBを外すレンチが必要だが先入観に反してめちゃめちゃスムースにインストールできる。
車体選定
エンド幅135mm
※130mmのロードには使えないものが殆ど。
自由
一般的なBBには対応しているが、ファットバイク等の特殊BBには対応しない。
適性レンジ
固定
自転車のギヤ比に依存
負荷耐性
継続過負荷で焼き切れる
自転車のギヤ比に依存
耐久性
低い
路面からのダメージが重いモーターを直撃する
高い
一番大きな路面からのダメージがモーターまで届かない
車体負荷
エンド金具とスポークに過度の負荷
※トライクでは横Gが半端ないので極太12Gをツイストしたホイールでもパキパキ折れる
全駆動部に分散
※トライクではチェーンラインを調整するプーリーへの負荷が高くなる場合が多い
乗り味
バネ下重量が大きい
3〜4kgのモーターをホイールごと回転させている為漕ぎ出しは重いが高速域での速度安定性は高い。自転車よりもオートバイに近くなる。
自分の脚力がアップした乗り味に近い
駆動輪まわりのポテンシャルはそのままにペダル回転力が増す為「グランツールの選手達はこんな世界かぁ〜!」という感じ。

こうして比較して行くと、やはり高いだけあってMIDモーターの方が何かとイケてるように思える。
っていうか実際に色々と乗り潰して来た結果、おっさん自身MIDモーターを採用して使っているので当然といえば当然のこと。
価格だけがネックだが、なんだかんだで振り返って見ると最初から安定の高級品を買っておいた方がよほど安上がりだったし、猛吹雪の山道でモーター焼き付き、暗闇の中チームカーを待つとかいう臨死体験(爆)も積むに至らなかったと思う。

そんなわけで悪いことは言わないからBBSにしとけっていうのはまぁガチなのですが、限定的な要件によっては異なる最適解もあったりします。

2〜3万のベース車にアシスト付けてチョイ乗り的なアレが欲しいだけという場合、本気のモーターなんて当然いらないし、安くて軽いQ100あたりに36Vで手堅く行くのがベター。
欲をかいてトラブルの多い328RPMとかに手を出さず、安定の201RPMが賢い選択。

反対に1kWオーバーのモンスターをお望みの場合、車体剛性から制動性能まで自転車のソレとは求められるアレが違って来ますから、単にモーターチョイスという話には収まりませんし「クリスタって何?」とか人に聞かないとわからない情報蓄積量では危険が危なくてリスクです。

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中間の500Wクラスでも自転車としてでは無くオートバイとしての乗り方を求めるのであればHUBモーターにもイイのが一本だけ、某ゴル電氏が国内でも売ってくれるアレであります。
回転数の限界があるので29er必須、電池も25Aくらいを継続出力できる容量か高級品が必要になりますが、なかなかどうしてブン回ります。
MIDドライブほど人力が影響しないとはいえ、これまでに履いたHUBモーターの中ではピカイチの存在。
新雪や深泥などのグリップが稼ぎにくいシーンでも、HUBモーターの重量が良い方向に影響して比較的高速に走れます、が、モーターと地面がギヤを介さず接続されていますので、ザラメ状の氷雪が積もった山道の登りなど、通常限界を越えた環境では、低回転で出力安定させる事ができず、どうしても焼き切れるリスクが高めです。

もっともそんな環境を走ろうってアホはおっさんくらいのものかも知れませんので、氏のCSTモーターはちょっとオススメです。

ここに挙げた4つ以外にもかなりの数のモーターが中国の工場では乱造されているわけですが、今のモーターをリプログラムしてからはもう「モーター探しの旅」をする理由が無くなっちゃったので、すでにおっさんの旅は「真冬の雨はどうすれば完全に凌げる?」とかいうところに向かってしまっていまして、定点観測的にどなたかのお役に立てる情報になったらいいかなと。