ノンニコ版TinyDevil

JPV Meet 2015から3週間。
投入と同時に炸裂すると予想されていたノンニコ版TDだが、実は販売サイドで物議を醸しており、なかなかにプッシュし難い状況にあるという。
どういうことか端的に言うと「こんなのTDじゃなーい><)。」という事なのである。

売れに売れまくったTDだけに、現在販売サイドに立たれている多くの店主達も少なからず元愛用者だったりする。
そして今回の復刻ノンニコTDを口にすると、物凄く裏切られた気持ちになるという。

恐らくノンニコのTinyDevilが市場に出回るのは今回が初。
もしかすると一番最初のリリースの際に、10mlボトルで100本くらいは作った事があったかも知れない。
あまりに古い話なのでおっさんの記憶にも自信が無い。

そしてノンニコ版TDとニコ入り版TDだが、実際全然違う。
えっ?と思われかも知れないが、そうなのである。

店主達のこの反応を受け、古くからのユーザーさん達にモニターをお願いしてみた。
※ご協力、本当にありがとうございましたm(_ _)m

懐かしの機器達

試飲して貰ったのはTDを含む新リキッド3種。
業界内で目立った存在となっている方々だけにその分析眼というか分析舌は凄まじく、絶対にわからないだろうと思っていたDevil’s Beach Cocktailの隠し味フレーバーまでピタリと当てられてビビったわけですが、面白いことにこのDBCとFreezing Heaven(メンソール系)の評価は皆さん一様にぴたりと同じ、そして肝心のTDの評価だけが全員バラバラ。

どういうことなのかモニターされた方の言葉をそのまま引用させて頂く。

「当時からTDはニコ濃度によって味が変わると思ってましたが、ニコチンが全く入って無い状態だとタバコらしさを演出している香料?がかなりエグく前面に出てきますね。」

料理やリアル煙草と同じ様に、TDにも単体として舌では認識出来ない様々な隠し味がブレンドされている。
そしてTDの場合、この香料群とニコチンがギリギリのバランスをとってその「味」を成立させている。
故にニコチン濃度が変わればその表情も変わってくるし、ノンニコとなればその変わり様はまさに激変なのである。

3.0Ωカトマイザーで吸ってみる

TD全盛の頃の機器はTinyTitaniumやeGoで、その抵抗値は3.0Ω前後。
その後LR(1.5Ω前後)機器が隆盛し始め、TDよりも鉄タバ(Steel Tobacco)が全盛となったように記憶している。
それが今やsubΩ(0.5Ω前後)となり、温度管理系の機器を使っている方に至っては0.15Ωあたり、当時とは何もかもが違ってきている。

試しにノンニコTDを16mgになるようニコチン添加、当時の3.0Ωカトマイザーに4.3V以下で吸ってみると、当然ながら「当時のあの味」が帰ってくる。

しかしここで販売サイドというか、日本VAPE界が直面している大きな問題にぶち当たる。
すなわち「ニコチンを語ればお取り潰し!」

国内でのニコチン販売は元より違法だが、販売するVAPE機器に「ニコチンを添加して使うことが出来る」と認めた時点で現在はアウト!

スプーンでアレを炙って使用出来るからと言って食器屋さんを営業停止にするような横暴っぷりだが、実際にリアル店舗には調査員が引っ掛け摘発に来る。
故にスタッフの皆さんは「これ、ニコチン混ぜて使えますか?」と聞かれたら「えぇー、そんな事出来るんですか?っていうかニコチンって煙草の葉っぱとか入れるんですか?」と答えないといけない。

つまりTDを購入されたお客さんから「コレ、全然TDと味違うんですけど?」とクレームが入った場合「ニコチン入れて3.0Ωに巻いて貰えば昔の味ですよ」と答えることが出来ない状況なのでござーます。

困ったのぅ…

反対に当時のTDどころかVAPE自体知らない喫煙者層からは「煙草味」としてかなり好評で、先日も花火観覧にやってきた物書きのおっさんが滞在中ずーっとおっさんのサブ機を手放さず、「下北のM5+ってとこに習いに行けばいいんだな?」と、結局そのまま東京まで持って帰った。

ある程度この反応は予想していたので、煙草の味から縁遠くなってしまったVAPEユーザー向けに、次のステップとしてDBCを用意したわけではあるのだけれど、販売店さん達の抱える「こんなのTDじゃない!」対策は一向に浮かばず・・・どうしたもんですかのぅ?